関税

トランプ大統領が「辞書の中で最も美しいことばは関税（Tariff）だ」と言っています。関税は自由貿易を阻害すると考えられていますが、自由貿易が行き過ぎると特定の国の経済や生活が破壊されることがあります。

　例としてよく挙げられるのはコメです。日本は輸入米に高関税を課したり数量の上限を設けたりして、国内の農家や日本の食文化を守っています。一方で、アメリカ人が生活に欠かすことのできない自動車においては、20世紀に繫栄した自動車関連産業が輸入車に対抗できずにボロボロになり失業者があふれてしまいました。トランプ大統領が関税率を上げる理由はここにあります。彼は、関税がアメリカ経済の復興だけでなく、安全保障の確保にもなると信じています。そして、それは世界情勢を不安定にし、中国との覇権争いや資源の囲込みなども加わってきています。

多様な国家があるにしても、それぞれが民主主義的に国家間の調和を目指し、無用な軋轢をうまないようにしてほしいと私は思います。ちなみに、関税法や関税定率法のことを勉強している税理士は残念ながらほとんどいないのが現状です。