インボイス登録で課税事業者となった個人事業主
2024/05/06
2年前(基準期間)の売上高1,000万円以下の個人事業主は、消費税の納税が免除され、その数は約460万人でした。そして、2023年10月からのインボイス制度開始に伴って約120万人がインボイス登録して新たに課税事業者になりました。その多くの方は2023年10-12月の3か月分に2割特例を適用し、比較的簡単に消費税の確定申告を済ませたことと思います。
しかし、安心は禁物です。2割特例の適用は令和8年までですが、年間の課税売上高が1,000万円を超えるとその翌々年は使えなくなります。また、相続や承継で事業用資産や賃貸用不動産を取得した場合は、その事業収入も売上高に加算する必要があります。さらに、その事業用資産を譲渡(売却)した場合、その代金に消費税額が含まれていると、課税売上高は一時的に大きくなります。
そのときは、簡易課税制度選択届出書を適用を受けたい課税期間の末日までに提出します。基準期間の課税売上高5,000万円以下であれば簡易課税が適用され、2割特例と同様に課税売上高から消費税額を算出できます。しかし、それを超えると原則課税(仕入税額控除方式)になり、仕入に係るインボイス登録番号の確認、インボイス等の保存などの手間がかかります。
インボイス制度が始まり、消費税の誤りがさらに増える傾向ですので、しっかりと顧問税理士に相談しましょう。